FREESTYLE2020 覚書

今日、FREESTYLE2020が最終日。

無事に全日程を開催できてよかった。

10月某日、ありがたいことに私も入ることができました。

日々記憶が薄れていくけど、感動と感謝を残しておきたい。

感想というか、独り言として。

● グリーンヘッドの間

グリーンヘッドのことでなくw

抽象画を観てやっぱり今までと違うんだなぁって思った。

新作のアクリルは蛍光色的な色を使ってるのが新鮮。蛍光ピンク!こんな色使ったことある?

作品集も事前に少し見たけど、色合いや重なりや筆使いなどは生で観ると違う物みたいに見えちゃう。

作品の息づかいが生々しくてゾクっとする。

● 過去の作品

個展初参加の私には全てが新作。中でも気になったのが怪物くん。

細かな描写。

ズボンの生地の毛羽立ち、靴の革のテカリ。黄色いセーターと黄色いシャツの色の違いだけでなく質感が違うのがわかる。

髪の毛が一本ずつなのはもちろん、眉も。

澄んだ瞳はあまり色が入ってなかったな

改めて『上手い』って簡単な言葉しか知らなくて恥ずかしいんだけど、技術の確かさや頑固な拘りや高度な集中力を感じ畏怖の念を抱きました。

だけど単純に楽しめるものもある。

ガマドン、楽しそう。エンターテイナーって感じ 金属なのに踊り出しそう 

肩に巣があってオナガドリがいて、あれだ、ジブリ

● 思い出のコーナー(?)

小さい時から抜群にうまいわけではないんだな。

急に細かい描写になって上手くなる。

風景画はそんなに上手くない。フツー。

努力だな。好きだから。

噂のテスト。『中3 2学期』である事に、親として震えながら見ましたw

智くんのかーちゃんすげ〜な。額に入れたんだもんね。

投げやりでテスト受けてるわけではないんだな。名前が綺麗だから。わからないなりに苦心してそうな跡がありキュンキュンしてしまう…(我が子なら心臓止まる)

● 細密画。

色がはっきり出てる。モノクロの作品じゃなくむしろ色鮮やか。

下地は塗り潰したとわかる。そして、極細ペンに出会ってしまったw

ほんとに極細で、印刷ではぼんやりしていた箇所がくっきりと浮き上がりその作業の細やかさに感嘆…

集中力と発想力、俯瞰できる眼。

過去を振り返り閉じ込める作業が

彼にとって抱え過ぎたモノを手放して回復、再生、癒しの時だったことを願うばかり。

● ジャニーさんはねぇ…光ってた。発光してたと思うw

どの作品もそうだけど実物は発色が鮮やか。

その中でもジャニーさんは特別光ってた。

Johnny Love!の文字があったかかったよ。

● パグちゃん

パグちゃんの穏やかなお顔。艶やかな毛並。

黒だけど近くで見ると黒じゃない。沢山色が入ってるのに黒。観る角度でも色が違う。

『描きたいものがない』『描けない』…その日々と向き合って、贖罪の気持ちで取り組んだこの絵に塗りこめられた色は、パグちゃんを象って深みを与えて穏やかに私たちの前に現れた。

挑むようなFSⅡのパグの眼、FSⅡの白シャツの智くんと同じだと思ってて。

今回の丸い眼のパグはレンズの向こうの相手を信じている眼。智くんもきっと、同じ眼をしてたんだと思う。

● 和室コーナー

カイトの掛け軸、意外とこじんまりしてるなって印象。

紫緑が風帯 上の一文字が黄色 下の一文字が赤、軸先が青、ふさも青、ふさにはガマドン。

小技が効いてるね。

● サトシのアトリエ。

床にひいたコンパネもそのまま持ってきたのかな、濡れたような跡もわかる。

デカイ紙袋に雑に絵の具がたくさん入ってる。床にも使用中の絵の具が散乱。使いたい色がすぐにわかるのか…?踏んだりしない?

色を混ぜてるパレットもそのまま。絵の具がついた丸椅子はIKEAかしら? ウチに同じのあるよ。

とにかく。

冬は寒そうで夏は暑そうな主人のいないこのアトリエは、智の溜息や独り言、笑い声や鼻歌をどれだけ吸い込んだんだろう。

煙草や絵の具の匂いが染み付いた此処で過ごした時間が彼にとって、『大野智』を取り戻す回復と再生の時間だったらいいな。

● ランタン

2枚目のランタンが展示されていた場所から、富士山と夕焼けが見えた。

当日は綺麗な夕焼けでランタンの絵を照らしていて。ほんのり赤く染まったランタンは火が灯ったみたいで素晴らしかった。

智くんが見てる光景を少し分けてもらったようで嬉しかったよ。

炎にはきっと、生命を感じているんだね。

眩しくて見る位置をずらしたら、ガラスのところにフュアーハンドのマークが描いてあるのが見えた‼︎

● お写真

フリスタポーズ3連発。変わらぬ再現力と変わらぬ容姿(むしろ今が1番かわいい)

白シャツの3人。

それぞれにいいお顔してるけど、私は今が1番いい顔だと思う。1番美しい。

智くんは美しいと思える人。

その美しさには淋しさと儚さが内包されていて、

特にこの白シャツの智くんは憐れみと諦めのような淋しさを感じる。

様々な出会いや経験をして覚悟を決めて命懸けの決断をした無私のリーダーは、それでもまだファンを思いやって繋がろうとしてくれている。

それがいい事なのか悪い事なのか分からなくて、

苦しくなっている此方を見透かすような淋しい目…

残酷なほど優しい人。

● ヌルヌル踊るやつ。

杖を使用するほど絶不調だったおかげ(?)で、

前列ど真ん中椅子席を頂戴できたんだけど、白塗りがバカ殿に見えてしまって感情が混乱。

でも、やっぱり動きは美しく、床が鳴る音、身体が空気を裂く音がこちらの緊張感をmaxにする。

彼のソロダンスはいつも凛として

どこにも留まらない流動体で

意思を持つ煙だと思ってた。

立ち昇り揺めき広がり知らぬ間に消える。

そんな儚さがこのヌルヌルからも感じられてバカ殿は忘れたけど。

これは、ダンスが観たいというファンへのオマケなんかではなく、作品なんだ。

彼自身が作品。

二十数年かけて創り上げた身体とスキルは芸術なんだよ…

(暗転からのこちらへ近づいて来た時は目のやり場に困ったことはナイショ。)

そして。

最後に出会う黒いシャツの智くんは全てを赦したような顔をしてた。

誰も幸せにならなかった5年前のことも、優しい嘘も、

大衆の欲望も妬みも、自分自身のことも。

全てを赦して、全てから解き放たれたんだと思った。

ただの『大野智』になれるんだね。

彼の望む生き方が出来ますように。

『ありがとう』

そう描いて送り出してくれる智くんがこの先幸せでありますように。

おしまい